今回は安土桃山時代の絵画や、画家、時代背景などについてお話していきます!
目次
安土桃山時代の絵画の特徴やポイント
安土桃山時代は織田信長、続いて豊臣秀吉が権力を握った時代です。
安土城などの城、寺院や神社などの大規模で豪華な建築物が数多く建てられました。
権力者が力を誇るため、建物内部を障壁画で飾り立てる派手な絵画が目立っていたのが特徴です。特に盛んだった絵画は、障壁画、屏風絵などです。
また南蛮貿易や、スペイン人、ポルトガル人などの宣教師により、新しい文化が伝えられました。キリスト教や、西洋の風景をテーマにした絵など、西洋の技術を用いた絵も、多く描かれはじめました。
建築物の障壁画を多数手掛けたので有名なのが、日本画史上最大の流派である、狩野派の狩野永徳(かのうえいとく)です。
狩野派と競い合うように、長谷川派の長谷川等伯(はせがわとうはく)も活躍しました。
安土桃山時代の絵画の代表的な作品
【狩野派】洛中洛外図屏風(上杉本)(らくちゅうらくがいずびょうぶうえすぎほん)
狩野永徳初期の作風です。洛とは京都のことで、洛中洛外とは京都市内と郊外のことです。室町時代から江戸時代にかけてよく描かれており、本作は傑作といわれるもののひとつです。
風景画としての要素も強く、右から夏、春、冬、秋という流れで描かれています。清水寺や渡月橋、三十三間堂など、建物や祭りの様子、公家、武家、町人など2500人近い人々の姿が描かれています。
【狩野派】檜図屏風(ひのきずびょうぶ)
金箔や金泥による金地の上に、鮮やかな色彩で描かれた装飾画『金碧障壁画』です。画面いっぱいに描かれた、力強い檜の巨木が特徴です。狩野永徳が、多くの障壁画を描く中で生み出した、画面いっぱいに巨大なモチーフを描く『大画様式(たいがようしき)』で描かれています。
黄金色は権力者達に好まれ、襖や屏風などに多く描かれていました。
【長谷川派】松林図屏風(しょうりんすびょうぶ)
長谷川等伯の代表作とも言われており、日本水墨画の傑作とも言われています。霧に包まれた松林を、荒々しい大胆な筆致で描かれています。
【狩野内善】南蛮屏風
南蛮船や南蛮人をテーマに描かれた、南蛮屏風です。安土桃山時代から、江戸時代初期に描かれています。左隻には異国の港から船が出港する様子、右隻には、日本に到着した船の荷揚げなどの様子が描かれています。
泰西王候騎馬図(たいせいおうこうきばず)
西洋と日本の技法を融合させた、独自の表現方式で描かれていたす。構図や印影は西洋、金箔押しなどは日本の技法です。ヨーロッパに攻め込むアジア諸王と、それに抗うヨーロッパの帝王が対峙(たいじ)する様子が描かれています。
まとめ
安土桃山時代の絵画の特徴や代表作など、いかがでしたでしょうか?
- 武将が権力を見せつける為、金箔などを使った豪華で華やかな絵が多い
- 南蛮文化が入ってきて西洋の技術も取り入れられはじめた
- 画家の二大勢力『狩野派』と『長谷川派』が活躍!
というようなポイントを抑えておくと、この時代の絵画鑑賞がより楽しくなると思いますよ^_^